#あつ森で飾ろう【第11弾モーリス・ドニの描いた愛の神秘と幸福】
大人気Nintendo Switch「あつまれ どうぶつの森」の世界に、三菱一号館美術館の作品を飾ってみませんか? 第11弾は所蔵品より、「モーリス・ドニの描いた愛の神秘と幸福」をテーマに作品を選んでみました。作品をセレクトした、阿佐美学芸員による作品紹介とともにお届けいたします!
第一弾のヴァロットン作品はこちら
第二弾のトゥールーズ=ロートレック作品はこちら
第三弾のルドン《グラン・ブーケ》はこちら
第四弾 ジョン&ミヨコ・ウンノ・デイヴィー・コレクションはこちら
第5弾トゥルーズ=ロートレック『博物誌』挿絵と、ボナール『パリ生活の小景』はこちら
第6弾モーリス・ドニ『アムール』はこちら
第7弾ヴァロットン『アンティミテ』はこちら
第8弾「ロートレックが描いた冬」はこちら
第9弾「ヴァロットンが描いた冬」はこちら
第10弾「おめでたい柄のジャポニスムの陶磁器」はこちら
**「みつびしいちごうかん島」を夢番地にて公開中です!ぜひお越しください**
夢番地ID:DA-7156-5456-1506
■遊び方
①アプリ「Nintendo Switch ONLINE」をスマホ等にダウンロードし、ゲーム連携サービス「あつまれ どうぶつの森」の「タヌポータル」にアクセスしてください。
②「マイデザイン」より「QRコードを読み取る」をクリックし、お好きな作品画像をゲームにダウンロードしてください。
【作品画像一覧】(2021年3月16日更新)
一号館ファンのみなさま、こんにちは。東京では桜が咲き始めました!美術館にも行きたくなる季節。そこで、いちごうかん島の美術館でも春らしい色彩の作品をご紹介しましょう。名付けて「モーリス・ドニの描いた愛の神秘と幸福」。
以前一度ご紹介した、ナビ派の画家モーリス・ドニによる、リトグラフの版画集『アムール』です。この版画集は妻となったマルト・ムリエへの求婚時代の経験を下敷きに描かれたものです。13枚の版画全体に柔らかな色彩が施されており、画面から幸福感が溢れ出てくるようです。それと同時にどこか不思議な神秘性を感じさせ、ナビ派の画家たちの、霊的、超自然的なものへの信奉を思い出させてくれます。リトグラフは版画の中でも画家の筆触をよく伝えてくれる技法です。筆致の柔らかさ、優しさ、そして色彩の豊かさとその幅の広さをご堪能ください。
モーリス・ドニ 《寓意》(『アムール(愛)』)1898年 リトグラフ・紙
温室と思われる室内の中に乙女がふたり。ひとりは籐の長椅子で安らかに眠り、もうひとりは薔薇の冠を捧げ、右手の乙女に被せようとしています。ドニはキリスト教を深く信仰、ルネサンス美術を学びました。この作品は「聖母戴冠」の主題を思い起こさせます。
モーリス・ドニ 《それは敬虔な神秘さだった》 (『アムール(愛)』)1898年 リトグラフ・紙
窓から柔らかな光が差し込む室内。右手の女性は祈るように両手を組み合わせ、左手の少女の額に口づけをしようとしています。女性の頬には光が差していますが、光源が明らかでないことから、現実というよりはキリスト教に由来する霊的な瞬間が描かれているのかもしれません。
モーリス・ドニ 《騎士は十字軍で死んではいない》 (『アムール(愛)』)1898年 リトグラフ・紙
アーチのついた建物の中に少女がひとり。左手奥の屋外には白馬がおり、その脇には女性がたたずんでいます。よく見ると馬に乗った誰かがこの女性に手を差し伸べているようです。題名も、描かれたものも、この作品では全てが謎めいています。
モーリス・ドニ 《そして彼女の手が優しく触れる》 (『アムール(愛)』)1898年 リトグラフ・紙
風景を背景にした高台にいるのは男女。男性が女性の手を優しく取って口づけをし、求愛をしているところです。前景に人物、遠景に自然の風景という舞台装置のような構図は、ドニがルネサンス期などの古い絵画を研究し、よく吸収したということを示しています。
モーリス・ドニ 《人生は貴重な慎み深いものとなる》 (『アムール(愛)』)1898年 リトグラフ・紙
建物が囲む中庭には、白い衣を身に着け、ヴェールを被った花嫁。彼女の右手に描かれた白百合、そして周囲の風景を映す清い水を湛えた泉から、ここに描かれた女性には聖母マリアの姿が重ねあわされていることは明らかです。静かな幸福感に包まれた作品です。
いかがでしたでしょうか?
みなさまの島にもぜひおむかえいただき、一味違うアート体験をお楽しみください!
*「みつびしいちごうかん島」の復元のようすは下記でご覧いただけます。
#あつ森で三菱一号館復元への道①
#あつ森で三菱一号館復元への道②
#あつ森で三菱一号館復元への道③
#あつ森で三菱一号館復元への道④
#あつ森で三菱一号館復元への道⑤
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