三菱一号館美術館公式ブログ

三菱一号館美術館 公式ブログ 当館のイベントの様子や出来事をお知らせしていきます。

2020年10月29日

#あつ森で三菱一号館復元への道⑤

「あつまれ どうぶつの森」(Nintendo Switch)の「みつびしいちごうかん島」で、三菱一号館を復元するべく奮闘するmimtの様子をお届けするリポートの第5弾。今回は現在「みつびしいちごうかん島」で公開中の作品解説を番外編としてお伝えいたします!

「夢番地」の機能を使って、「みつびしちごうかん島」と、復元中の三菱一号館を公開中です!
夢番地ID:DA-7156-5456-1506
まだまだ開発中ですが、お越しいただけると嬉しいです!

現在(2020年10月29日)、9月22日まで当館にて開催していた「画家が見たこども展」に関連した展示を「みつびしいちごうかん島」の三菱一号館で行っています!マイデザインもダウンロードできますので、あわせてお楽しみください(こちらのブログの文末にリンク先を掲載しています)。
展示中の作品より、作品をセレクトした当館の阿佐美学芸員による解説をご紹介いたします。作品について知れば、ますます「あつ森」に飾りたくなって、実際に作品を見てみたくなる…と思います!

*作品は全て三菱一号館美術館所蔵

■ピエール・ボナール〈パリ生活の小景〉の展示室より

「画家がみたこども展」ではル・カネのボナール美術館と協力して展覧会をつくりましたが、そのボナール美術館が主として取り上げているのがピエール・ボナール。そのボナールによるリトグラフが、こちらの〈パリ生活の小景〉シリーズです。


ピエール・ボナール《表紙》(〈パリ生活の小景〉より) 1899年 リトグラフ・紙

フランス語の原題を直訳すると、「パリの生活のいくつかの要素」。その名の通り、19世紀末のパリの日常生活を活写しています。《上から見た町》では、オスマン様式の住居の上階から道路を見下ろしている構図。21世紀にもこうした風景は健在です。


ピエール・ボナール《上から見た町》(〈パリ生活の小景〉より) 1899年 リトグラフ・紙

オスマン様式の集合住宅は、何棟かで中庭の空間を持っていることが多いのですが、この絵は恐らくその中庭の上部を見たところ。向かいの建物の窓にはカーテンが見えたり、洗濯物が干してあったり。屋根には暖炉とつながる煙突が立っています。


ピエール・ボナール《中庭をかこむ家》(〈パリ生活の小景〉より) 1899年 リトグラフ・紙

■アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック『博物誌』の展示室より

『にんじん』など日本でもよく知られるフランスの作家、ジュール・ルナール。そのルナールの『博物誌』にロートレックが施した挿絵です。当館が所蔵するのは見返しにロートレックの直筆の追加の挿絵が施された貴重なもの。ひょうきんな表情のワニは当館の人気者です。


アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《表紙裏》(左頁)(ジュール・ルナール『博物誌』より) 1897年 リトグラフ・紙

あつ森のなかでは画質の関係であまり鮮明には見られませんが…本当はとてもかわいい作品です。当館でもどこかの展覧会では展示されると思いますので、ぜひいつの日かリアルでもご覧ください!

七面鳥、猫、鯨などなど多くの動物を取り上げた『博物誌』の最初にでてくるのが雄鶏です。それは恐らく、フランスの国鳥だから。さて、ルナールの描いた雄鶏は鳴かない雄鶏。教会の屋根の上にいて、恋をしたことが一度もなく、脚は一本。つまり…風見鶏でした。



アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《雄鶏》(ジュール・ルナール『博物誌』より) 1897年 リトグラフ・紙

ルナールが描いたのはジャッコという主人と朝から晩まで働く働き者のろば。朝は配達、それが終わると畑に出て馬鈴薯などの収穫物を運びます。主人の命令を聞くばかりでなく、気に入らないときは主人の耳を噛んでみたり。このろばもちょっと憂鬱そうに見えますね。


アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ろば》(ジュール・ルナール『博物誌』より)1897年 リトグラフ・紙

■フェリックス・ヴァロットン〈アンティミテ〉の展示室より

ナビ派の画家たちの中でも、スイス人の画家フェリックス・ヴァロットンは特異な位置を占めています。有名画廊の家の出で三人の子持ちの女性と結婚したヴァロットンは、ご多分に漏れず辛い家庭生活を送ったようで、女性への視線は皮肉に満ちています。



フェリックス・ヴァロットン《嘘〈アンティミテ〉Ⅰ》 1897年 木版・紙

室内でうっとりと抱き合う男女。題名は《きれいなピン》ですが、どこに描かれているのでしょう?原題の“épingle”とは棘のこと。女性名詞なので恐らくこの女性を指します。この作品は、逢瀬の後、この男性に巻き起こる事件を暗示しているのでしょうか…。


フェリックス・ヴァロットン《きれいなピン〈アンティミテ〉Ⅲ》 1898年 木版・紙

こちらも親密そうな様子の男女。女性は男性から目をそむけ、窓から外を眺めています。女性ににじり寄った男性の背後は黒く潰れ、女性に差し出した左手が目につきます。作品名は《お金》。恐らく男性は金額を提示し、女性との関係性を買おうとしているのでしょう。


フェリックス・ヴァロットン《お金〈アンティミテ〉Ⅴ》 1898年 木版・紙

■モーリス・ドニ〈アムール〉の展示室より

リトグラフの連作〈アムール〉はモーリス・ドニがマルト・ムリエと結婚した頃に制作されたもの。発行元は、版画集の発行で知られるヴォラール社です。静謐な青色が印象的なこの表紙は、少女のような肢体の女性と彼女の清らかさを表すかのような白い鳩が印象的です。


モーリス・ドニ《表紙》(〈アムール〉より) 1898年 リトグラフ・紙

薔薇色の背景の前に若い女性がふたり。右の女性は薔薇を手に物思いにふけり、左の女性は本を読んでいるところ。でも、ちょっと不思議な構図ですね。拡大すると、本が楽譜であるのが分かります。恐らく、左の女性が鍵盤楽器を弾き、右の女性が聴きいっているのです。


モーリス・ドニ《私たちの魂はゆっくりした動作の中に》(〈アムール〉より) 1898年 リトグラフ・紙

いかがでしたでしょうか?ぜひ「あつ森」を通じて、いろいろな美術の楽しみ方に触れていただけると嬉しいです!
それでは、今回はこの辺りで失礼します。島の開発も再開して、季節が変わった「みつびしちごうかん島」の様子もご覧いただければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします!

とっても綺麗な夕焼けが島で見られました!秋を感じますね。

*これまでの復元のようすは下記でご覧いただけます。
#あつ森で三菱一号館復元への道①
#あつ森で三菱一号館復元への道②
#あつ森で三菱一号館復元への道③
#あつ森で三菱一号館復元への道④

*あつ森で飾れる当館の作品は下記よりダウンロードできます。
#あつ森で飾ろう ヴァロットン作品8点、当館ロゴ
#あつ森で飾ろう【第二弾トゥールーズ=ロートレック】 トゥールーズ=ロートレック作品7点
#あつ森で飾ろう【第三弾ルドン《グラン・ブーケ》】 特大《グラン・ブーケ》もあります!
#あつ森で飾ろう【第四弾ジョン&ミヨコ・ウンノ・デイヴィー・コレクション】 カップなど7点
#あつ森で飾ろう【第5弾トゥルーズ=ロートレック『博物誌』挿絵と、ボナール『パリ生活の小景』】 『博物誌』挿絵6点と『パリ生活の小景』より5点
#あつ森で飾ろう【第6弾モーリス・ドニ『アムール』】 優しい雰囲気のリトグラフ6点
#あつ森で飾ろう【第7弾ヴァロットン『アンティミテ』】 人気の『アンティミテ』より全10点

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