三菱一号館美術館ニュース「ジャポニスムの工芸品を、横浜美術館「ファッションとアート 麗しき東西交流」展へ貸し出します!」

2017年4月7日

ジャポニスムの工芸品を、横浜美術館「ファッションとアート 麗しき東西交流」展へ貸し出します!

横浜美術館で4月15日に開幕する「ファッションとアート 麗しき東西交流」展へ、
当館所蔵のジャポニスムの工芸品のコレクションを出品します。

横美貸出 伊万里ロイヤル・ウースター社《伊万里写ティーセット》1881年 磁器 三菱一号館美術館蔵

横浜美術館は、横浜市のみなとみらい地区に位置し、19世紀半ばの日本の開国の歴史を背負った土地にあります。当時は小さな寒村だった横浜は、日本政府の様々な意図を背負って1859(安政6)年に開港します。爾来、横浜は、異文化を受け入れ、日本の文物を送り出す一大拠点となり、100年経たないうちに、日本で最も大きな都市のひとつへと成長しました。横浜からは着物などの織物や陶磁器などを欧米へ大々的に輸出し、かの地でジャポニスムの一大潮流を生むきっかけを作りました。海外からは、ドレスや装身具、また写真や絵画などが輸入され、日本が西洋化する大きな原動力となりました。

横美貸出 ワイングラス制作者不詳《菊花文ワイングラス》1900年頃 ガラス 三菱一号館美術館蔵

横浜美術館にて満を持して開催される「ファッションとアート 麗しき東西交流」展では、横浜という土地の持つ歴史と、横浜が立役者となった東西交流を、「麗しき」というキーワードを基点とし、さまざまな美術、工芸品を有機的に構成して読み解きます。京都服飾文化研究財団所蔵の多数のドレスを中心とした服飾品と共に、三菱一号館美術館からは、陶磁器、ガラス器、銀器等々、総数60ピースを超える作品を出品します。

横美貸出 群魚群ピッチャーティファニー商会/エドワード・C・ムーア《群魚文ピッチャー》1877年 銀、銅、金 三菱一号館美術館蔵

開会する4月半ばには、横浜美術館前の広場は春の陽光と港の波のきらめきをたっぷりと感じさせることでしょう。
一年でも最もいい季節の横浜の展覧会で、当館秘蔵の作品の数々をぜひご堪能ください。

横美 ファッション展覧会チラシ 小 修正
【展覧会情報】
展覧会名:「ファッションとアート 麗しき東西交流」
会期:2017年4月15日〜6月25日
会場:横浜美術館
横浜美術館WEBサイトはこちら

2016年6月14日

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの版画を
ポーラ美術館(箱根)に貸出中!

ポーラ美術館で開催している「Modern Beauty フランスの絵画と化粧道具、ファッションにみる美の近代」展へ、
当館所蔵のアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの版画集『彼女たち』と『レスタンプオリジナル』最終刊の
表紙を出品しています。

ニュース ロートレック 20160613 トリミングアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
『彼女たち』《座る女道化師―シャ=ユ=カオ嬢》1896年
リトグラフ、洋紙
53.3 x 40.5cm
三菱一号館美術館蔵
(2016年5月12日~7月6日に展示)

ニュース ロートレック② トリミングアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
『彼女たち』《寝台の女、横顔―朝の目覚め》1896年
リトグラフ、洋紙
41.0 x 53.0cm
三菱一号館美術館蔵
(2016年5月12日~7月6日に展示)

日本でも人気の高いフランスの画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックは、
19世紀末のパリの風俗を多く描いたことで知られています。

キャバレーでフレンチカンカンを踊る女たち、舞台上でライトを浴びる歌手等、世紀末ショービジネスの華やかな世界。
そして、酒瓶を前にしてぼんやりする二日酔いの女や、しどけない姿の娼婦たち。
ロートレックは社会の最底辺に生きる人々の姿を、親愛の情を持って描きだしました。

そんなロートレックの作品の中から、『彼女たち』を出品しています。
『彼女たち』は、パリの高級娼館で働く娼婦たちを捉えた版画集です。全12点の作品には、
娼館の女たちの日常が描かれています。たとえば、みだれ髪で気怠そうにたらいに水をくんでいる娼婦、
仕事を終え、客の前でコルセットを身につける娼婦など。19世紀末のフランスには、ルノワールやモネが描く、
明るい外光に満ちた都会的で華やかな生活の裏に、このような薄暗い世界も存在していました。

ポーラ美術館の「Modern Beauty フランスの絵画と化粧道具、ファッションに見る美の近代」展は、
この時代のフランスのファッションを、ルノワールやモネが描いた油彩画や版画、絹地やレースが眩しいドレス、
貴婦人の使った銀製の化粧道具、香水瓶、女性が髪に飾った櫛などの装身具や色とりどりの貴石を使った宝飾品等
によって、総合的に描き出しています。当館の版画集『彼女たち』も展示替えをしつつ、4点ずつご覧になれます。

華やかで親密な19世紀のフランスの雰囲気を堪能できる、
「Modern Beauty フランスの絵画と化粧道具、ファッションにみる美の近代」展にどうぞお出かけください。

【展覧会情報】
展覧会名:「Modern Beauty フランスの絵画と化粧道具、ファッションにみる美の近代」
会期:2016年3月19日〜9月4日
会場:ポーラ美術館(箱根)
展覧会サイトはこちらをご覧ください。

2016年4月27日

オーギュスト・ルノワール《ピクニック》を名古屋ボストン美術館に貸出中!

名古屋ボストン美術館で開催の「ルノワールの時代 近代ヨーロッパの光と影」展へ、
ピエール=オーギュスト・ルノワール《ピクニック》(当館寄託作品)を出品しています。

【作品貸出】ルノワールピクニック 20160421原稿起案ピエール=オーギュスト・ルノワール
《ピクニック》制作年不詳
油彩・カンヴァス
51.2 × 55.8cm
三菱一号館美術館寄託

名古屋ボストン美術館は1999年の開館以来、
ボストン美術館の所蔵品によって構成される展覧会を数多く開催してきました。
3月19日に開会した「ルノワールの時代 近代ヨーロッパの光と影」展は、
オーギュスト・ルノワールが活躍した時代とその前後の油彩画、版画、写真など、
ボストン美術館所蔵の87点と国内作品2点の全89点によって構成するものです。
この展覧会に、当館の寄託作品である、ルノワールの油彩画《ピクニック》を特別出品として貸し出しています。

よく知られているように、油彩絵具がチューブ入りになるまで、画家たちは室内のアトリエで制作していました。
印象主義の画家たちに大きな影響を与えた、田園や森を主題としたミレーらを中心としたバルビゾン派の画家
たちも、戸外でスケッチし、それをアトリエに持ち帰って描いていたのです。
ルノワールら、印象主義の画家たちは、その頃発明されたチューブに入った絵具とイーゼルを戸外に持ち出して、
風の吹きぬける草原や、太陽の光を受けて輝くセーヌの水面など、われわれになじみ深い作品を生み出しました。
戸外で直接自然を見て描くことが、彼らの作品の色彩や画題の選択に大きな影響を与えたのです。

当館から貸し出しているルノワールの《ピクニック》は、こうした開放的な印象主義の作風を余すところなく
伝えてくれる作品です。澄んだ青い空の下、緑の輝く大地に若い女性たちが集まって談笑しています。
彼女たちはふんわりと軽いドレスとエプロンをつけた気取らない服装をしており、彩度の高い青、赤、緑などの
色彩が輝く画面からは、ピクニックの明るさ、楽しさが湧き上がってくるようです。

当館でもなかなか公開されないこの貴重なルノワール作品を、
ボストン美術館の作品の中でもとりわけ人気の高い、ルノワールの《ブージヴァルのダンス》や、
コロー、ミレー、ドガらの名作と共にお楽しみください。

【展覧会情報】
展覧会名:「ルノワールの時代 近代ヨーロッパの光と影」
会期:2016年3月19日〜8月21日
会場:名古屋ボストン美術館
詳しい展覧会情報はこちらからご覧頂けます。

2016年4月14日

黒田清輝《摘草》を東京国立博物館(上野)に貸出中!

東京国立博物館で開催の「生誕150年 黒田清輝 日本近代絵画の巨匠」展へ、
黒田清輝の油彩作品《摘草》を出品しています。

摘草;Gathering Herbs黒田清輝
《摘草》
油彩/カンヴァス
1891(明治24)年
三菱一号館美術館寄託

日本近代洋画の巨匠黒田清輝は幕末の1866年に生まれました。ちょうど今年が生誕150周年にあたります。
これを記念して、現在、東京国立博物館では大規模な黒田清輝の回顧展が開催されています。
当館からは、寄託作品である《摘草》を出品しています。
《摘草》は1891(明治24)年、若き画家のフランス留学時代に描かれました。
奥行きのある広々とした野で、若い女性が野草を摘んでいます。画面の奥には、
19世紀末のフランスでよく見られた巨大な摘みわらが描かれています。

留学中の黒田がしばしば訪れたフランス北部は、秋から春にかけての時期には曇り空のことが多く、
ぼんやりした光はそのことを裏付けています。
彼女の左後方には、少女が前傾姿勢をとって、野草を探しているのでしょうか、足元を見ながら歩いています。
不思議なのは、この少女が主人公の女性と比べて不自然なほど小さく描かれていること。
とはいえ、この少女がいないと作品全体のバランスが崩れてしまうのが興味深いところです。

右下に描き込まれたサインは「SEYKI KOVRODA」とあります。
フランス語では「Y」は「I」二つ分とされ、「イ」と発音されます。
またフランス語の祖先であるラテン語ではVはUと同じ文字でした。
フランス語では「OU」は「ウ」と発音されます。したがって、
サイン全体をフランス語式に読むと「セイキ クロダ」となります。

【展覧会情報】
展覧会名:「生誕150年 黒田清輝 日本近代絵画の巨匠」
会期:2016年3月23日~5月15日
会場:東京国立博物館(上野)
URL:http://www.seiki150.jp/

2016年4月12日

オーギュスト・ルノワール《パリスの審判》を愛知県美術館に貸出中!

愛知県美術館で開催の「黄金伝説」展へピエール=オーギュスト・ルノワール《パリスの審判》(当館寄託作品)
を出品しています。

パリスの審判 小

ピエール=オーギュスト・ルノワール
《パリスの審判》
油彩・カンヴァス
1908年
三菱一号館美術館寄託

昨年、上野の国立西洋美術館で始まり、仙台の宮城県美術館へ巡回していた「黄金伝説」展が、4月1日、
名古屋の愛知県美術館で始まりました。この展覧会では、古代地中海世界の黄金の装飾品などのほか、
黄金にまつわる古代神話が描かれた作品も展示されています。
当館寄託のピエール=オーギュスト・ルノワール《パリスの審判》はその一点。これまで展覧会を見逃した方、
もう一度《パリスの審判》に会いたい方、是非名古屋でご覧ください。展覧会は5月29日までの開催、
これが最後のチャンスです!

作品に描かれているのは、古代ギリシャ神話に登場する三柱の美しき女神と羊飼いの若き美青年です。
神々が招待された、海神の娘テティスと人間の男性ペレウスの結婚式結婚式に、闘争の女神エリスは
招かれませんでした。怒ったエリスは「最も美しい女神へ」と書かれた黄金の林檎を結婚式に投げ込みます。
結婚の守護神ヘラ、知恵の女神アテナ、愛と美の女神アプロディテは、我こそが最も美しいと譲らず、
これを見た大神ゼウスは、トロイア王の息子で、羊飼いとなっていた若者パリスに選ばせます。
女神たちはパリスにさまざまな賄賂を提示しますが、「最も美しい人間の女を与える」と言ったアプロディテを
パリスは選びました。「最も美しい人間の女」とはトロイアの敵国スパルタの王妃ヘレネのこと。パリスと恋に
落ちたヘレネは、パリスと共にスパルタから逃亡します。これが有名なトロイア戦争の原因となったのです。

ルノワールが南仏カーニュ・シュル・メールのアトリエで描いたこの《パリスの審判》には、
明るい光が満ち満ちており、女神たちの肌は輝き、背景の木々も燃え立つようです。
印象主義の巨匠の清々しい色彩を是非ご堪能ください。

【展覧会情報】
展覧会名:「黄金伝説展 燦然と輝く遺宝 最高峰の文明展」
会期:2016年4月1日〜5月29日
会場:愛知県美術館(名古屋)
詳しい展覧会情報は<こちらからご覧頂けます。