発行:青幻舎
定価:3,300円(本体3,000円)
編著者:三菱一号館美術館
監修:安井裕雄
アートディレクション:林琢真
言語:日英併記
判型:B5変
総頁:200頁
製本:並製
ISBN:978-4-86152-978-8 C0071
ロートレックが最後まで自身の手元に残した最愛のコレクション。
トゥールーズ=ロートレック(1864~1901)が生涯決して手放そうとしなかった私的な作品群は、彼の死後、親友であり最大の理解者でもあった画廊主モーリス・ジョワイヤンに引き取られ散逸を免れる。そのコレクションには、代表作であるリトグラフやポスター作品のほか、めずらしい刷り作品や、晩餐会のメニューなど、ほかでは目にすることのない希少な作品が含まれていた。本書には、「博物誌」「彼女たち」「ロイ・フラー」「イヴェット・ギルベール」など、ロートレックが生涯愛したパリと女性たちを描いた136作品を掲載。繊細でユーモアに満ちた眼差しを感じられる筆致からは、ポスター画家として知られるロートレックの新たな側面と魅力が伝わってくる。小説家 小林エリカがロートレックに寄せて書き下ろした2つの掌編、「彼女の腹のなか」「彼女の腰まわり」を収録する。
掲載コラム:
『博物誌』とジュール・ルナール
モーリス・ジョワイヤンとトゥールーズ=ロートレック没後の評価
アリスティド・ブリュアン
ジャヌ・アヴリル
『イヴェット・ギルベール』
《アンバサドゥールにて、カフェ・コンセールの女歌手》
《ロイ・フラー嬢》
『彼女たち』
寄稿:小林エリカ
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec)
1864~1901。南仏の伯爵家に生まれ、8歳からパリで絵を描き学び始める。13歳で怪我をきっかけに発育が停止し、その後障がい者として差別を受けた経験から、夜の世界の女性たちに共感してムーラン・ルージュをはじめとするダンスホールなどで彼女たちを愛情を込めて描いた。36歳で夭逝するまで多くの絵画やリトグラフを創作する。
安井裕雄(やすい・ひろお)
1969年生まれ。財団法人ひろしま美術館学芸員、岩手県立美術館専門学芸員を経て、現在、三菱一号館美術館上席学芸員。専門はフランス近代美術。
小林エリカ(こばやし・えりか)
1978年生まれ。作家、マンガ家、アーティスト 。目に見えないもの、時間や歴史、家族や記憶、声や痕跡を手がかりに、入念なリサーチに基づく史実とフィクションを織り交ぜた作品を制作する。