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【レオナルド×ミケランジェロ展】館長タカハシによる「ここが見どころ!」

皆さま、こんにちは。本日も館長のタカハシによる本展の見どころをご紹介して参ります!
前回のミケランジェロに続いて本展もう一人の主人公、レオナルドの見ていたものとは?

―レオナルド:人間の造形のその先にあるものを見ようとした

レオナルドは人体の造形そのものの美を追求するというよりは、造形を通して、その先にある人間の不思議、人体を超えた先にあるものを見たい、知りたいという欲求があったと思います。そんな欲求の表れとして、死体解剖も難しかった時代に、亡くなった女性の子宮を解剖して、胎児を描いてみたりもしているのです。ただ美しいものに興味があったのだとしたらそんなことはしませんよね。それは単に美しいもの、綺麗なものを見たいという欲望ではなく哲学的な思考からです。存在論的な考え方ともいえる彼の理想を追求していったので、例えば動物や昆虫、自然や宇宙についてなど、人間以外の対象にも惹かれていきます。今回の展覧会にも、レオナルドが描いたさまざまな主題のデッサンが展示されています。

―全く別のものを見ていたふたりの天才

ミケランジェロは、あくまで絶対的な高次元の美を追求したアーティスト。レオナルドは視覚を通して人間、さらには世界の謎を追求した探究者。ルネサンス期を代表する二人の偉大な巨匠であることに違いはありませんが、実は見ていたものが全く違うということを知って頂けると、本展がより面白いものになるのではと思います。
意外なことですが、二人の作品を1つの空間で対比して見せる展覧会はこれまでほとんど開催されたことがありません。ぜひこの機会にご自身の目で二人の作品を比べてみてください。
みなさんはレオナルドとミケランジェロのどちらに惹かれますか?
◆レオナルド×ミケランジェロ展

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