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【レオナルド×ミケランジェロ展】館長タカハシによる「ここが見どころ!」

皆さま、こんにちは。本日は館長のタカハシによる本展の見どころをご紹介して参ります!

今回の主人公であるレオナルドとミケランジェロの二人は、ルネサンス期の人物ですが、ヨーロッパの近代美術のもとになるものはこの頃にできました。オナルドとミケランジェロという二人がいなかったら、これ以降の美術がまわっていかなかったと言ってもいいほどの影響力があると思います。
ところで、本展は大変コンセプチュアルな展覧会であると言えます。二人の作家の非常に際立った、異なる考え方を見せています。作品を見て素敵!というタイプの展覧会ではなく、(もちろん二人の技術は大変優れているので、作品自体も素晴らしいのですが)二人の「美」に対する捉え方を対比する性質もあるのです。

―ミケランジェロ:人間の肉体を、神と同格の美とみる

ミケランジェロは、人間の肉体を神が自らに似せてつくりあげたもっとも美しいものと考え、人間の身体そのものの美しさを追求していました。あくまでも人間の肉体の最高度の「美」を通して、理想の存在の高みに昇ろうとした。
ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂《最後の審判》の大壁画(1541年完成)などは、当初、400名以上の登場人物は、
キリストやマリアを除いてほとんど全員が裸体で描かれていたほどです。
今回会期の途中からとなりますが、新発見のミケランジェロの彫刻《十字架を持つキリスト(ジュスティニアーニのキリスト)》がやってくるのはそんな理由からも、大変意味のあることです。ミケランジェロは芸術の中で、彫刻を最上位に置いていましたから。未完成のミケランジェロの彫刻を後世別の彫刻家が完成させたといわれますが、これ程大きなミケランジェロの作品が、日本で公開されるのは初めてです。(談)

次回はレオナルドについて、館長のタカハシが引き続きご説明します。どうぞお楽しみに!
◆レオナルド×ミケランジェロ展

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