All About MARIANO FORTUNY マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展 Sat. 6 JUL - Sun. 6 OCT., 2019

His Life フォルチュニの人生

父母、妻、生活した場所、訪れた土地、憧れた異国、非凡なアイデア、センス、商才、それはマリアノ・フォルチュニの人生そのものでした。

作品リスト

1. 画家、版画家、舞台芸術家、写真家にして天才デザイナー

フォルチュニは、グラナダで生まれ、ローマ、パリで育ち、ヴェネツィアで制作し、パリとニューヨークで作品を世に送り出した。 彼は、服飾・染織デザイナーであっただけでなく、画家、版画家、舞台芸術家、写真家、そして、服飾作品を自ら世界に向けて送り出すプロデューサーでもあった。

絵画 絵画はフォルチュニにとり、人生で初めて学んだ、極めて重要な位置を占める表現方法だった。 彼は画家を自認しており、服飾の世界で成功した後も生涯描き続けた。

マリアノ・フォルチュニ《タチアオイ》1923年 テンペラ/板 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《ペーザロ・オルフェイ宮内部 主階》制作年不詳 カーボンプリント フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

写真 若くしてカメラを手にしたフォルチュニは大量の写真を残している。 自邸であるオルフェイ宮の内部、 ヴェネツィアの街角、自身の染織作品の展覧会、エジプト、ギリシャなどの旅先の風景などなど、主題は多彩を極める。また、刻々と表情を変える雲に魅せられ、ヴェネツィアやパリの空を斬新な構図で切り取った。

マリアノ・フォルチュニ《雲の習作、ヴェネツィア》1915年頃 銀塩ネガプリント フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

2. 芸術家の系譜

父と祖父がプラド美術館の館長を務め、画家、建築家、美術評論家を輩出したスペインでも重要な芸術家一家出身の母。高名なオリエンタリスムの画家で、19世紀スペイン画壇の中心的な存在の父。 芸術家の家系に連なるフォルチュニは父の作品にも描かれており、プラド美術館でも名品とされる《日本式居間にいる画家の子供たち》(1871年)には姉マリア・ルイサと共に遊ぶ姿がある。

マリアノ・フォルチュニ《染め型紙》19世紀末 和紙、柿渋、絹糸 フォルチュニ美術館蔵 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

フォルチュニと日本 フォルチュニが所蔵していた日本の染め型紙のひとつ。彼は型紙を用いた防染染めの技術にも通じ、プリントの技術に生かしたとされる。

マリアノ・フォルチュニ《テキスタイルのための下図》1907年以降 プリントした絹タフタ、 厚紙に貼り付け フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

3. フォルチュニと絵画

三歳で父を失ったフォルチュニは、父に憧れて画家を目指し、パリではアカデミスムの画家でオリエンタリスムに傾倒したバンジャマン=コンスタンに絵画を学ぶ。 そして、屋敷に残る父の作品や、ヴェネツィアで身近に目にすることのできるカルパッチョやティントレットらオールドマスターの作品の模写、「デルフォス」を身につけた妻のアンリエット、また若くして感銘を受けたリヒャルト・ワーグナーの歌劇の場面などを描いた。1895年にはじまったヴェネツィア・ビエンナーレにも何度も絵画を出品している。

マリアノ・フォルチュニ《バラ色の衣装のための習作(アンリエット・フォルチュニ)》1932年 テンペラ/厚紙 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

妻アンリエット パリで出会った美しい妻アンリエットは絵画や写真のモデルを務め、染織においてはフォルチュニの優秀な助手であった。

マリアノ・フォルチュニ《アンリエット・フォルチュニ、 芸術家の妻》1915年 テンペラ/厚紙 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

4. ワーグナーと舞台

フォルチュニは10代でリヒャルト・ワーグナーの歌劇に魅せられ、舞台照明、劇場設計、舞台衣装など舞台関係の仕事を手がけるようになる。 フォルチュニが開発した間接照明は舞台上の演者を美しく見せ、機械的なシステムが朝から夜までの光の変化を表すことを可能とした。 また彼は『ニュルンベルクのマイスタージンガー』、『ニーベルングの指輪』、『パルジファル』などの場面を多数絵画に残している。

マリアノ・フォルチュニ《ワーグナーのオペラ『ニーベルングの指輪』より ジークフリートとラインの乙女》テンペラ/板 制作年不詳 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

ワグネリアン 青春時代にリヒャルト・ワーグナーの歌劇に感動したフォルチュニは、舞台照明や劇場設計にたずさわっただけでなく、その場面を主題とした絵画を多く残した。

マリアノ・フォルチュニ《ワーグナーのオペラ『パルジファル』よりクンドリ》制作年不詳 テンペラ/板 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《デスクランプ》1925年以降 木、金属 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

5. フォルチュニ芸術の粋 服飾と染織

日本から輸入されたといわれる最高級の絹地を鮮やかな色彩に染め、繊細なプリーツを施したドレス「デルフォス」、そして絹ベルベットにエキゾチックな模様をプリントしたマントやジャケット。 それらは、東洋の魔術的なイメージに彩られた水都ヴェネツィアで制作され、パリとニューヨークで販売された。 ごく軽くて華やかな「デルフォス」は、それまで身体を極度に締め付けていたコルセットから女性を解放し、女性の肢体の自然な曲線を美しく飾った。

マリアノ・フォルチュニ《フード付きケープ》1930年代 絹ベルベットにステンシル・プリント 神戸ファッション美術館

日本とその影響 妻のアンリエットは室内着として日本のきものを日常的に使用していた。 フォルチュニがデザインした上衣にはきものの形状の影響を受けているものもある。

マリアノ・フォルチュニ《室内着》1910年代 絹タフタにステンシル・プリント 公益財団法人  京都服飾文化研究財団 撮影:リチャード・ホートン

<デルフォイの御者>「デルフォス」のインスピレーションとなった、紀元前5世紀に制作された厳格様式の青銅彫刻。1896年にデルフィのアポロン神殿で発見された。

アリナーリ兄弟社《デルフォイの御者》19世紀末 アルビューメン・プリント フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

<デルフォス>極上の絹地をさまざまな鮮やかな色に染め、手仕事で細かな襞をつけた布地で仕立てられた。

マリアノ・フォルチュニ《デルフォス》1910年代 絹サテン、 トンボ玉 島根県立石見美術館 ※展示期間 8/20〜10/6
参考:マリアノ・フォルチュニ撮影《デルフォス》を身につけたモデル 1920年頃 現代プリント フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

マリアノ・フォルチュニとは

フォルチュニ美術館館長 Q&A

マリアノ・フォルチュニ《タチアオイ》1923年 テンペラ/板 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《ペーザロ・オルフェイ宮内部 主階》制作年不詳 カーボンプリント フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《雲の習作、ヴェネツィア》1915年頃 銀塩ネガプリント フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《染め型紙》19世紀末 和紙、柿渋、絹糸 フォルチュニ美術館蔵 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《テキスタイルのための下図》1907年以降 プリントした絹タフタ、 厚紙に貼り付け フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《バラ色の衣装のための習作(アンリエット・フォルチュニ)》1932年 テンペラ/厚紙 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《アンリエット・フォルチュニ、 芸術家の妻》1915年 テンペラ/厚紙 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《ワーグナーのオペラ『ニーベルングの指輪』より ジークフリートとラインの乙女》テンペラ/板 制作年不詳 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《ワーグナーのオペラ『パルジファル』よりクンドリ》制作年不詳 テンペラ/板 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《デスクランプ》1925年以降 木、金属 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《フード付きケープ》1930年代 絹ベルベットにステンシル・プリント 神戸ファッション美術館
マリアノ・フォルチュニ《室内着》1910年代 絹タフタにステンシル・プリント 公益財団法人  京都服飾文化研究財団 撮影:リチャード・ホートン
アリナーリ兄弟社《デルフォイの御者》19世紀末 アルビューメン・プリント フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
マリアノ・フォルチュニ《デルフォス》1910年代 絹サテン、 トンボ玉 島根県立石見美術館 ※展示期間 8/20〜10/6
参考:マリアノ・フォルチュニ撮影《デルフォス》を身につけたモデル 1920年頃 現代プリント フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny