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FROM THE CURATOR監修者からのメッセージ

アン・ライルス
美術史家
アン・ライルスAnne Lyles

テート美術館より作品の貸し出しを受けて三菱一号館美術館で開催されるジョン・コンスタブルの本回顧展は、きわめて特別な機会になるでしょう。 日本でコンスタブルの大規模な企画展が開かれるのは、1986年に伊勢丹美術館で展覧会が開かれて以来、実に35年ぶりのことです。

テート美術館は、コンスタブルの最も重要な作品を数多く収蔵している美術館のひとつです。 すべての制作年代にわたって網羅していますが、とりわけ充実しているのが後期の力強い作品です。 油彩画、水彩画、素描など、日本国内に所蔵される作品も合わせると、本展にはおよそ85点が出品されます。 J. M. W. ターナーをはじめとする同時代の画家の作品に加えて、コンスタブルの晩年に刊行され、次世代の画家たちに影響を与えた版画集『イングランドの風景』に収録された全作品もご紹介します。

コンスタブルは自然を描いた芸術家の中で、最も著名な画家であると同時に、間違いなく最も優れた画家のひとりです。 本展では、戸外で生き生きと描かれた豊かな表現の油彩スケッチが多数展示されます。 生まれ故郷のサフォーク州の草地や小道沿いで描かれた作品、ハムステッドで手がけられた雲の習作、ブライトンの海岸で制作された浜辺の風景画。 新鮮な外の空気を感じさせるコンスタブルの作品は、世界的なパンデミックを経験した来館者の方々にとっては、息詰まるような日々を忘れさせてくれる一服の清涼剤となるに違いありません。

本展のみどころ