「拝啓 ルノワール先生」担当学芸員インタビュー①<展覧会のタイトルについて>
皆さま、こんにちは。
当館ブログにて展覧会についてご紹介して参ります。
本内容は、「拝啓ルノワール先生 ―梅原龍三郎に息づく師の教え」を担当している、学芸員の安井裕雄にインタビューを行ったものです。まずは、展覧会のタイトルに込められた想いからスタートします。
<展覧会のタイトルについて>
この展覧会タイトルは、手紙の書き出しを思わせます。梅原龍三郎(以下梅原)がピエール=オーギュスト・ルノワール(以下ルノワール)を回想しながら、手紙を書いている場面を想像してみてください。梅原がルノワールに会いに行くことがそもそもの発端ですが、師と仰ぐルノワールとの初面会の時、彼はまだ20歳の若い無名の画学生でした。まだ画家ですらないわけなのですね。その梅原が日本に帰国後、ある程度有名になった後、(それはルノワールがまだ生きているときかもしれませんし、あるいは亡くなった後かもしれません)先生のことを思い出している、そのような「先生への想い」が伝わるような展覧会にしたいということが、担当者の意識です。
梅原は、ルノワールのことをとても尊敬していましたが、ルノワールに対する想いの熱量がずっと均等に続いていたかというと、そういうわけではありません。
けれども、成功を手にした後も、年始の挨拶、暑中見舞いや残暑見舞いではないけれども、季節ごとに手紙を書くようなシチュエーションには(現代ではその機会も失われつつありますが)、ふと恩師について振り返ってみる機会があったのでは。そういうイメージを強く意識しています、全体として。
実際は館長をはじめ、スタッフが意見を出し合って決定しますので、その他にもいろいろな想いが込められています。
これはあくまでも、担当者としてタイトルに込められた想いの一部とお考え頂ければと思います。
◆次回は「梅原が影響を受けた画家たち」についてご紹介します。続く。
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