三菱一号館美術館 新年のご挨拶
あけましておめでとうございます。
昨年は多くの方々に「ワシントン・ナショナル・ギャラリー」展、「画鬼・暁斎」展、「プラド美術館」展に
足を運んでいただき、本当に有難うございました。お陰さまでいずれの展覧会も、きわめて好評をもって迎えられ、
美術館のスタッフ一堂、大変に意を強くしている次第です。尚、「プラド美術館」展は1月31日まで開催しております。
マドリードでも見ることのできない構成の珍しいテーマの展覧会ですので、未見の方はぜひご覧頂ければと存じます。
今年は、またあらたな試みに挑戦します。
3月に開会し、世界のモードを牽引した華やかなパリの服飾100年の歴史を辿る「パリ・オートクチュール展」は、
当館としては初めての、ファッションを扱う展覧会となります。パリ市立ガリエラ美術館の膨大なコレクションの中から
厳選した出品作品を素材に、著名なオリヴィエ・サイヤール館長自らがキュレーションを手がける点でも注目されます。
夏に開く「ジュリア・マーガレット・キャメロン」展は、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館所蔵の写真展で、
世界巡回して好評を博している展覧会です。イギリス・19世紀末を代表する写真家で、近年世界的にもきわめて評価の
高いキャメロンは、女性写真家の草分けとしても名高く、当館としても最初に開く写真家の回顧展となります。
他方、秋の展覧会「拝啓 ルノワール先生」は、日本の洋画界のスーパースター、梅原龍三郎と、彼が心の師とした
印象派画家オーギュスト・ルノワールとのさまざまな交流を軸に、日仏の近代絵画の歩みを考えようという企画です。
遠く離れた日本とフランスに生きながらも、各々に独自の絵画を実現したふたりの画家の軌跡を辿ることで、
彼らの生み出した輝かしい表現を堪能いただけるかと存じます。
本年も三菱一号館美術館をどうぞよろしくお願い申し上げます。
三菱一号館美術館 館長 高橋 明也
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