そもそも、「ルツとボアズ」とは?
皆様こんにちは。師走も半分がすぎようとしており、今年も残りわずかとなりました。
年の瀬は時間の流れが普段よりも速く感じられます。当館で開催中のミレー展も、
あっという間に会期後半に差し掛かりました。お陰様で大変ご好評いただいており、
12月27日(土)と12月28日(日)の特別開館が決定いたしました!
さて、今回は2014年11月11日(火)に行われた、
「展覧会の愉しみ方講座」の内容をブログでもご紹介させていただきます。
本講座は、お陰様で大変ご好評いただきました。実際にご参加されるのが一番ですが、
ご都合により当日ご参加がかなわなかった方にも、絵の背景にあるエピソードを知ることで、
作品をより楽しく見ていただければ幸いです。
今回のミレー展では、ボストン美術館の3大ミレーと言われる
《種をまく人》 、《刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)》、《羊飼いの娘》が同時に展示されております。
レクチャーではこの3大ミレーの《刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)》を取り上げました。
ジャン=フランソワ・ミレー《刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)》1850-53年、油彩・カンヴァス
Bequest of Mrs. Martin Brimmer 06.2421
Photograph ©2014 Museum of Fine Arts, Boston
◆そもそも、「ルツとボアズ」とはいったい何のこと?
作品の題名にも記載されている、「ルツとボアズ」。
この単語を聞いただけでは、何を意味する言葉なのか分からない方も多いと思います。
というのは、「ルツとボアズ」というのは、『旧約聖書』の登場人物の名前であり、
聖書の知識がなければ、目にすることはない言葉と言えます。
ミレーは、彼が生活していたフランスの農村の風景を描いておりましたが、
絵の中に聖書の物語を織り込んでいるのです。
『旧約聖書』の題材を用いつつ、あくまでも当時のフランスの農村風景を描いていることが、
描かれている衣服、麦わら帽子、大きな積藁などの特徴からわかります。
(麦わら帽子は、旧約聖書時代の装いではありません!)
「ルツとボアズ」についての知識がなくても鑑賞は可能ですが、この下敷きとなっている物語を知ると、
さらに深く絵を楽しむことが出来ます。まるでなぞ解きのようで面白くもあります。
次回は旧約聖書に出てくるストーリーにそって、さらに詳しくご説明いたします。
つづく
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