藤原葵さんインタビュー後編 【歴史資料室にて個展「形態」開催】
皆さま、こんにちは。
前回に引き続き、本日も藤原さんのインタビューの内容をお届けします。(聴き手:三菱一号館美術館学芸員 野口玲一)
―作品に描かれているキャラクターについても聞かせてください。
アートアワードで賞を受賞された時の作品には、キャラクターがびっしり描かれていましたが、最近では後退している印象です。このキャラクターはどこからきているのでしょう?
アートアワードを分岐点として、キャラクターは主役と脇役の間というか、その中間の立ち位置に変化してきています。そして、このキャラクターは動物とも人とも確定しないまま描いています。どちらにも見える気もします。中学生の時から描き始めて、高校で美術科に進学して、写実的な作風に変化していたのですが、大学に入って無駄を省いた今の形に近づいていきました。このキャラクターが自画像であるというのは、しばしば言われるのですが、完全に自分というわけでもありません。自分でもよくわからないままに描いているというところもあります。
―この展覧会のために制作された新作ですが、具体的に見てほしいところはありますか?
アートアワードに展示した作品は、別のキャンバスにドローイングしたものを切り取って貼った部分があるのですが、今回はビニールに絵具を塗りつけて、乾かしたフィルムを剥がして貼るという技法を使っています。またメタリックな絵具を使うなど、色彩的にもカラフルな作品になっています。描かれているキャラクターは、シルクスクリーン版画の技法を使っていて、3つの版を使って刷ったのですが、同じ形のものがたくさん浮遊しているのは不安感も出て、私も面白いと思っています。
また、アニメだと動きがありますが作品は静止画なので、爆発が起こる前に現れる「フラッシュ」を作品に織り込んで、爆発の予感を表したり、動きをいかに表現するかということに注意しました。一枚の絵として見たときに、その中に時間の経過も感じていただければと思います。
―藤原さん、ありがとうございました。
本展と同時期に名古屋のギャラリーNでも展示をされておりますので、
気になる方は併せてご確認ください!
gallery N 藤原 葵 個展 「日々爆発」 2018.4.7 (土)~ 4.22 (日)
13:00 – 20:00 (水曜・木曜日休廊)初日は 18時 開廊 最終日は 18時 まで
〒464-0816名古屋市千種区鏡池通3-5-1
◆gallery N :http://www.f-g-n.jp/
◆藤原葵さんサイト:aoi-fujiwara.com
公式ブログトップへ