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藤原葵さんインタビュー前編 【歴史資料室にて個展「形態」開催】

皆さま、こんにちは。
現在三菱一号館 歴史資料室では、「アートアワードトーキョー丸の内2017」三菱地所賞受賞者、藤原葵さんの個展「形態」を開催しています。今回は藤原さんご本人に、作品についてお伺いいたしましたので、インタビューの内容をお届けします。(聴き手:三菱一号館美術館学芸員 野口玲一)

―はじめに、なぜ「爆発」をテーマに作品を描くようになったのでしょうか。

イギリスに留学して漫然と抽象画を描いていたのですが、先生が「日本は特殊な国で、もっと違った深い文化があるのだから、一度それを見直してみたらどうだい。」とおっしゃられて、「あ!そんなこと言われるんだ」と衝撃を受けて、考えたり悩みながら作品制作を続けていました。そんな状態のとき、自分のパソコンに『エヴァンゲリオン』の動画があるのを思い出し、見てみると、「あ!これだ」とひらめくものがあったんです。

―それは、日本独特の表現ということですか?

はい。『エヴァンゲリオン』には爆発のシーンがありますが、爆風の表現、デフォルメされた形がとても綺麗だなと思いました。それに感化されて作品にアニメの要素を取り入れていき、どんどん作風が変化していきました。アニメは日常の一部だったので、イギリスに行くまではあまりに当たり前過ぎて、その独特の表現に気が付かなかったのです。物語の展開として爆発シーンは盛り上がる場面でもあるので、アニメの技術的に面白いエフェクトの表現が詰まっている部分でもあります。
留学前に、映画『シン・ゴジラ』を見たこと、イギリス留学時に日本で震災があったりしたので『シン・ゴジラ』のビームなど破壊の表現にも影響を受けていました。

―『ガンダム』や『エヴァンゲリオン』は、もともとご両親がお好きとのことで、藤原さんが子どもの頃から触れていて、自身の視覚的体験の「もと」のところにあるものだということに、留学を通して改めて気が付いたということですね。
爆発は表現としての魅力の他に、現代社会の問題につながる面もあると思います。世界で起こっている紛争や、日本においてもミサイルに対する危機感があると思いますが、そのようなものとの結びつきがあるのでしょうか?

漠然とした不安を抱えながら生きているというか、世界が崩壊してしまうかもしれないという不安はあると思います。

―宇宙の始まりや恒星の終わりにも爆発があると言います。

描いていて幅広いテーマになり得るのではと感じ始めています。

 

藤原さんへのインタビューは後半に続きます。どうぞ、お楽しみに!

◆藤原葵さんのサイト:aoi-fujiwara.com

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