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東方三博士の礼拝とガレット・デ・ロワの日

皆様こんにちは。
最近日本でも見かけるようになった「ガレット・デ・ロワ」。これが何であるか、ご存じでしょうか?
「ガレット・デ・ロワ」とはフランス語で「王様たちのお菓子」という意味です。
アーモンドのペーストが入っている甘いパイで、フランスでは1月6日の公現祭(エピファニー)の日
に食べられています。パイの中に陶器の小さなおもちゃが一つ入っており、これに当たった人は王様
として冠をかぶり、一日中、家族に命令ができることになっています。

さて、この「王様たち」とは、今から2000年ほど前、キリスト教で救世主とされているイエスを礼拝しに来た
三人の賢者(東方の三博士、マギなどともいいます)のことです。メルキオール、バルタザール、カスパール、
という名前まであり、はるばる東方からやってきた三人は、イエスに、乳香、没薬、黄金を捧げたといわれています。
これが「マギの礼拝」、「東方三博士の礼拝」といわれる出来事で、キリスト教世界では古くから描かれてきました。
「ガレット・デ・ロワ」は、この「東方三博士の礼拝」の日を祝って食べられているお菓子なのです。

プラド美術館展には、「東方三博士の礼拝」を描いた作品が展示されています。占星術によってイエスの誕生を知り、
救世主を拝みにやってきた三人と聖母子が、輝かしい色彩、細密な筆遣いで描かれています。

ブログ用記事
偽ブレス(ブレシウス)
《東方三博士の礼拝》
油彩・板
1515年頃
プラド美術館

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