申年には猿作品! プラド美術館展出品作品のご紹介
現在開催されている「プラド美術館」展に、猿が主人公となっている作品が展示されているのをご存じですか?
ダーフィット・テニールス(2世)による《猿の画家》と《猿の彫刻家》です。
日本では、猿は賢いというイメージがありますが、キリスト教世界では、虚栄心や吝嗇など、悪を象徴し、
悪魔として描かれることもありました。テニールス(2世)の作品では、そうしたことも念頭に置きつつ、
自然界の猿の器用さをユーモラスに描いているようです。
《猿の画家》は、画室に置かれた肖像画や歴史画などの絵画から、猿の画家は人間世界を描いていると思われます。
《猿の彫刻家》では、人間が創造したギリシャ神話に登場する聖霊サテュロスを彫りだしています。
よく見ると、後方にある墓碑彫刻には人間の体に猿の頭がついています。
テニールスの遊び心が感じられる作品です。
ダーフィット・テニールス(2世)
《猿の画家》
油彩・板
1660年頃
プラド美術館
ダーフィット・テニールス(2世)
《猿の彫刻家》
油彩・板
1660年頃
プラド美術館
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