三菱一号館美術館の挑戦
当館では、日本で必ずしも知名度が高いとは言い難い画家の展覧会も、積極的に開催してきました。
日本初上陸作品の展覧を含め、オリジナリティを発揮した展覧会をご紹介します。
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シャルダン展――静寂の巨匠
2012年9月8日(土)~2013年1月6日(日)
ルーヴル美術館名誉総裁・館長(当時)のピエール・ローザンベール氏監修のもと実現した本邦初の個展です。
代表作《食前の祈り》は、画家が最後まで手元に置いていた作品(ルーヴル美術館蔵)と、ロシアの女帝エカテリーナ2世の愛蔵作品(エルミタージュ美術館蔵)だった2点を展示。
個人蔵の《羽根を持つ少女》、《木いちごの籠》も出品されるなど、26点が日本初公開。学術的にも評価された回顧展です。
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レンバッハハウス美術館所蔵
カンディンスキーと青騎士
2010年11月23日(火・祝)~ 2011年2月6日(日)
ドイツ・ミュンヘンのレンバッハハウス美術館所蔵のカンディンスキーを中心に、ドイツの前衛芸術運動「青騎士」の珠玉のコレクションを展覧。
本展は、当館で初めて20世紀美術を扱った展覧会であり、新たな来館層にアプローチする機会となりました。
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オルセーのナビ派展:
美の預言者たち――ささやきとざわめき
2017年2月4日(土)~5月21日(日)
オルセー美術館のギ・コジュヴァル総裁(当時)監修のもと同館の全面的な協力を受け、19世紀末のパリの若き前衛芸術家集団「ナビ派」の活動を、総合的に紹介した本邦初の展覧会です。
油彩画を中心に素描、彫刻、陶磁器など81点を選定。
また、オルセー美術館に新規収蔵されたヴュイヤールの《八角形の自画像》や《エッセル家旧蔵の昼食》も出品され、日本でナビ派の評価が高まるきっかけの一つともなりました。
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拝啓 ルノワール先生
――梅原龍三郎に息づく師の教え
2016年10月19日(水)~2017年1月9日(月・祝)
当館が企画構成した初の国内巡回展。 洋画家、梅原龍三郎旧蔵で当館寄託されていたルノワールなどの絵画、梅原自身が国立西洋美術館に寄贈したドガ、ピカソ、古代ギリシア彫刻などと共に、梅原自身の作品も展示。
梅原とルノワールの師弟関係に光を当てながらも、日本におけるルノワール評価に、梅原が果たした役割の再検証を試みる内容でした。