三菱一号館美術館公式ブログ

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2015年11月26日

館長・高橋明也のプラド美術館展コラム

今回の「プラド美術館展―スペイン宮廷 美への情熱」展で展示されている作品は、小型の作品が多い印象ですが、
プラド美術館自体は小さいどころか、大美術館です。常設展示も大型作品が多いので、その巨大作品のイメージ
が強い方も多いのではないでしょうか。そんな王権に寄り添う巨大作品の収集の歴史とは180度真逆のベクトルで
作られたのがこの展覧会です。とりわけバロック期の国民国家形成時に、政治・宗教権力と競うように巨大化して
いった美術をいわば逆さまに観てみようという試みなのです。プラドでこの展覧会のマドリード版を観た時にも、
常設の大型作品とのコントラストがとても新鮮でしたし、何はともあれ小品が故に画家の手が隅々まで染み透って
いることが鮮明に分かりました。

「小さきものへの愛」をもつ日本では、それに加えて別の意味ももちそうです。
その意味で一号館の空間はベストだったと自負しています。

先日黒柳徹子さんが来館した際には、丸々2時間を費やしたほど、小型作品を観るのには神経を集中しなければならず、
鑑賞に疲れるのがちょっと難点です・・・。この小型の作品に込められた想いについては、マヌエラ・メナのカタログ
・エッセイが秀逸ですので、是非ご一読頂ければ幸いです。

ちなみに、「ヴィラ・メディチの庭園」は、あのゴダールの「気違いピエロ」の冒頭場面、
ベラスケスの美しい描写そのものですよ・・・。

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